今そこにある人生の落とし穴 サラリーマン編 社内資料流失

「お、このアプリ面白そうじゃん。無料だしダウンロードしようっと」

 

何気なく、スマホに新たにアプリをダウンロードした。

翌朝、通勤途中、スマートフォンで会社のクラウドにアクセスをして、今日の営業先と顧客情報などを確認していたら、

 

スマホ、フリーズ・・・

 

「なんだよ、これ・・・つかえねぇな」

 

とぼやいていたら、数十分後、やっと使えるようになった。

「あっぶね。スマホ壊れたら、仕事にもならん」

 

とりあえず、会社に向かった。

 

会社に着くと社内は騒然としていた。

 

「どうした?」

 

同僚に聞くと、

 

「社内情報が流出した可能性があるみたいなんだ」

 

「マジか!?」

あなたも、慌てて自分のデスクに行き、

 

上司の命令で流出情報の確認作業に入った。

 

「今日は散々だったな。どうも、内の部署の情報が流出したくさい。

 

しばらく、仕事にならんな・・・」

 

数日後、あなたは上司に呼び出しを受ける。

 

「なんでしょうか?」

 

 

「おまえ、スマートフォン使ってるな?」

 

「はい、そうですが」

 

「ちょっと、貸せ」

 

言われるままに、スマホを手渡し、上司は横にいるいかにも理系の男に渡した。

 

理系の男はPcに接続し何かをはじめ口を開いた。

 

 

「間違いありません」

(何を言っているんだ?)

 

「おまえ、自分が何やったかわかってるのか!?}」

 

「はぁ、何のことでしょうか?」

 

「そのスマホがウイルスに感染していて、社内情報を流出させたんだよ!!」

 

「えっ」

「顧客情報流出がどんだけ損害賠償請求されるか、わかってんのか?

yahooBB会員情報流出事件では、被害者数約450万人、1人当たり、5500円、最大賠償額は247億5000万円に上るんだぞ。

 

TBC事件では顧客の住所、氏名、生年月日の他、スリーサイズ迄漏れ、

被害者数約5万人、1人当たり3万5千円、17億5000万円(最大)まで払うんだぞ。

今回漏れたの、yahooBB事件と同じ、住所、氏名、電話番号、メールアドレスまでなので、

1人当たりの賠償額は同じぐらいだろう。

 

他の匿名性が高い情報が漏洩しなかっただけがまだ救いだ。

情報の価値が高いほど、賠償額は上がるからな」

 

「申し訳ありませんでした。」

 

「申し訳ありませんでしたで、済むわけがないだろう。

譴責や減給、懲戒解雇まで覚悟しておけ。

お前に対しても、不法行為(民法709条)による損害賠償請求もあるからな」

 

心当たりを思い出した。

あのアプリか???

たまたま、ダウンロードした、たった1つのアプリのせいで、あなたは職を失い、多額の借金を背負うのであった。

 

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