探偵業に身を置いて15年、数えきれないほどの浮気調査をこなしてきた。
依頼人の多くが最終的に目指すのは、「浮気相手への慰謝料請求」だろう。
この慰謝料請求には、大きく分けて二つのアプローチがある。一つは、探偵が収集した証拠を基に、依頼人自身が浮気相手と直接交渉する方法。
そしてもう一つは、弁護士に依頼して法的な手続きを進めてもらう方法だ。
今回は、この二つのアプローチのメリットとデメリット、特に弁護士に依頼した際の意外な「不都合」について、私の経験を交えながら語っていこうと思う。
直接交渉の意外な有効性:W不倫のケース
以前にもこのブログで書いたことがあるのだが、特にW不倫のケースでは、直接交渉が非常に有効に機能することが多い。
なぜか?その理由はシンプルだ。浮気相手が、自分の配偶者や会社に浮気の事実を知られたくないという、圧倒的な「弱み」を握っているからだ。
浮気の証拠を私たちが収集し、依頼人がその証拠を基に浮気相手と直接連絡を取る。すると、彼らの反応は驚くほど素直なものが多い。
「話を聞きたい」と持ちかけると、浮気相手はすぐに話し合いの場に出てくる。彼らは自分の秘密が世間に、特に自分の生活基盤である家庭や職場に露見することを何よりも恐れている。
だから、依頼人が提示した条件、例えば「慰謝料〇〇円」と「依頼人の配偶者と二度と会わない」という条件に、あっさりと応じるケースが少なくない。
もちろん、交渉がスムーズに進むよう、我々探偵は依頼人に対し、交渉の進め方や注意すべき点について事前にアドバイスを行う。だが、その弱みを握っているという事実が、交渉を圧倒的に有利に進めるのだ。
慰謝料の金額も、依頼人の希望額に近い形で合意に至ることが多い。そして、何より、この直接交渉は非常にスピーディーに決着する。
早い場合は、一ヶ月以内に全ての交渉が終わり、慰謝料も支払われる。
これは、依頼人にとっても、精神的な負担が長引かないという大きなメリットだ。
もちろん、全てのケースがこの通りにいくわけではない。中には頑なに拒否する相手や、誠意のない対応をする相手もいる。
しかし、私の経験上、W不倫のケースで直接交渉を選んだ場合、この「あっさり決着」というケースは多く見られる。
弁護士に依頼する「不都合」:交渉のルールと期間
では、浮気相手への請求を弁護士に依頼した場合はどうなるのか。
もちろん、弁護士は法律の専門家であり、慰謝料請求のプロだ。法的な手続きを全て任せられるという安心感は大きい。しかし、そこには、直接交渉にはない「不都合」が潜んでいる。
弁護士を介して慰謝料を請求した場合、相手もまた弁護士に依頼して対応してくる場合がある。
こうなると、事態は一気に「法廷闘争」の様相を呈してくる。
相手の弁護士がまず最初に言ってくるのは、「話し合いに応じるので、親族や会社など、接触しないように要求する」というものだ。
この要求からわかるように、浮気相手の最大の弱みは、やはり「自分の周囲に浮気がバレること」なのだ。彼らは、この一点だけは絶対に避けたい。
しかし、弁護士を介した交渉では、もはや「脅し」のような手段は使えない。相手の弁護士は、依頼人の弁護士に対し、「話し合いに応じます」と言いながらも、慰謝料の請求額に簡単には応じない。
例えば、依頼人が慰謝料200万円を請求したとする。
すると、相手の弁護士は「慰謝料は法的な相場からするともっと低い」「経済的、精神的な苦痛の証拠が不足している」などと、様々な理屈を並べ立て、「30万円や50万円程度なら払う」といった交渉を持ちかけてくるのだ。
浮気相手の弁護士の仕事は、いかにして支払う慰謝料の額を減額するかだ。
彼らは依頼人の感情など気にしない。ただ、法的なリスクと金額のバランスを計算し、依頼人に最も有利な形で交渉を進める。
そうなると、依頼人はこう言いたくなるだろう。
「親族や会社にバラされたくなければ、さっさと請求額を払え!」と。
しかし、弁護士同士の交渉でそのような主張をすることはできないのだ。
弁護士が相手に「バラす」と仄めかすような言動をすれば、それは「脅迫」と見なされかねない。場合によっては、弁護士会から懲戒請求の対象になり得る。
そうなれば、交渉は決裂し、裁判での判決を待つしかなくなる。
日本の裁判は、時間がかかる。浮気訴訟の場合、判決が出るまでに約1年位はかかるだろう。
その間、依頼人は精神的な負担を抱え続け、弁護士費用もかさむ。
最終的に裁判で勝訴したとしても、受け取れる慰謝料の額は、直接交渉で得られる金額と大差ない、あるいはそれ以下になることも珍しくない。
探偵クロキの提案:直接交渉という選択肢
だからこそ、私は依頼人に伝えることがある。
特にW不倫のケースでは、「弁護士を通さず、まずはご自身で請求してみる」のも一つの手であると。
もちろん、直接交渉にはリスクもある。相手が逆上したり、交渉がまとまらなかったりする可能性もある。
しかし、その場合でも、「自分で交渉してみて失敗したら、その後に弁護士に依頼する」という選択肢は、何の問題もない。
直接交渉で、相手の「弱み」を突き、短期間で慰謝料と「二度と会わない」という約束を勝ち取る。
これがうまくいけば、依頼人の精神的な負担も最小限で済む。
そして、もし相手が弁護士を立ててきたら、その時点でこちらも弁護士に依頼すればいい。
その頃には、相手の弁護士はすでに依頼人の「弱み」を把握している。法的な交渉の場においても、有利な状況でスタートできる可能性が高い。
弁護士は、法律の専門家であり、裁判では頼もしい味方だ。
しかし、全てのケースにおいて、彼らに最初から全てを任せるのが最善とは限らない。
探偵の仕事は、真実を明らかにし、依頼人に「選択肢」を提供することだ。
慰謝料請求の手段もまた、その「選択肢」の一つに過ぎない。
依頼人自身の状況、そして相手の弱点を理解した上で、最も有利な方法を選ぶこと。
それが、最終的な勝利への道だと私は信じている。
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