裏切りの「朝活」不倫妻の驚愕ルーティン

探偵という稼業を長く続けていると、人間の行動パターンについてはある程度の「統計」が頭の中に出来上がる。不倫調査における時間配分、言い訳の傾向、そして場所の選択。

しかし、時にその統計を、そして我々プロの予測を鮮やかに裏切る猛者が現れる。

今回は、私の「読み」が完全に見誤った、ある早朝の出来事について語ろう。

それは、単なる不倫の証拠取りを超えて、人間の欲望がいかに綿密かつ大胆に日常へ食い込んでいるかを思い知らされた事件だった。

1. 静寂を切り裂く「午前7時のSOS」

その日の朝、私は別の現場に向かう準備を整え、事務所を出ようとしていた。

予定では、都内の某駅で相棒と合流し、電車移動で尾行を開始することになっていた。重い機材をバッグに詰め込み、最後の一杯のコーヒーを飲み干そうとしたその瞬間、私のスマートフォンが激しく震えた。

表示された名前は、クライアント、Bさんだった。

「クロキさん……!今、いいですか?」

電話越しでも伝わる焦燥感。Bさんの声は微かに震え、怒りと困惑が混ざり合っていた。

「どうしました、落ち着いて話してください」

「妻が……今朝早くに『今日はパートの日だから』と出かけたんです。

でも、車に付けておいたGPSの履歴を見たら、パート先とは正反対の方向にある、繁華街のラブホテルに入ったんです。今、まさにそこにいるんです。今から行けませんか!?」

時計を見る。午前7時45分。

不倫調査において「今そこにいる」という情報は、千載一遇のチャンスだ。

しかし、このタイミングでの依頼は、探偵にとって最も難易度の高い「緊急出動」を意味する。

2. 探偵の「舞台裏」:スケジュールというパズル

「一旦切り、調整して折り返します」

私はそう言い残し、すぐさま別の調査員数名に電話を飛ばした。 探偵事務所の運営において、最も骨が折れるのがこの「急なスケジュールの組み換え」だ。すでに別の現場に就いている者、休日返上で動いている者……。

「やはり無理か……」と一瞬諦めがよぎったが、一人、運良く現場が午後にスライドした若手が捕まった。

「よし、行けるぞ」

Bさんに折り返し電話を入れ、現場直行を指示。しかし、ここで一つの大きな問題が立ち塞がった。

今日の私は電車移動の予定だった。

そのため、すべての重機材を積んだ「調査用車両」は、事務所から少し離れた自宅の駐車場に置いていたのだ。

現場のラブホテルまでは、車で飛ばしても約1時間半はかかる距離。

機材を取りに帰る時間を含めれば、現場到着は早くても10時前になる。

だが、私はこの時、ある「確信」を持っていた。

「朝の7時過ぎにラブホテルに入ったということは、そもそも『パート』という話自体が真っ赤な嘘だろう。おそらく、パートの終業時間である夕方までは、腰を据えてホテルに籠もるはずだ」

不倫をする側にとって、「仕事」というアリバイは一日を自由に使うための最強の隠れ蓑だ。

朝から夕方まで仕事を装えば、丸一日を愛人と過ごせる。

私はそう読み、「10時に着けば、昼過ぎのチェックアウトまで十分に余裕を持って張り込める」と判断した。

私は一度自宅へ急行し、調査車両に飛び乗った。

3. 焦燥のハイウェイ:完璧な「読み」のはずが……

高速道路へと滑り込み、アクセルを踏み込む。

助手席には、高性能の望遠レンズを装着したカメラと、暗所でも威力を発揮するビデオ機材。

浮気妻の乗った車は、確かに繁華街にあるラブホテルの駐車場を示すアイコンの上に重なったまま、微動だにしない。

「朝の7時からラブホテル……」

冷静に考えれば、これは相当に情熱的というか、異常な状況だ。

普通なら仕事帰りや休日の昼下がりを選ぶところを、あえて「出勤時間」を偽装してまで朝から合流する。

私の頭の中では、すでに勝利のシナリオが完成していた。

10時前に到着し、ホテルの出口を二段構えで監視。

昼下がりに、満足げな表情で出てくる二人の姿を、最高画質で押さえる。

そして、彼女が「仕事終わったよ」と夫に連絡を入れるであろう夕方までを、完璧な時系列で記録する……。

しかし、現場まであと数キロ、時刻が9時25分を回ったところで、そのシナリオは無残にも崩れ去った。

再び、Bさんから電話が入った。

「クロキさん、出ました!妻の車がホテルを出て、動き始めました!」

「……えっ?」

一瞬、耳を疑った。 現場到着まで、あとわずか15分というところだった。

「今、出たんですか?まだ9時半前ですよ?夕方までじゃないんですか?」

「はい、間違いありません。今、ホテルから大通りに向かって走り始めました……。あ、これ……パート先の方向に向かってます」

電話を切り、私は思わずハンドルの上で舌打ちをした。

「マジかよ……」 心の声が漏れた。

4. 驚愕の真実:性欲と規律の「奇妙な共存」

滞在時間は、わずか2時間強。

朝の7時過ぎに入り、9時半前に出る。 着替え、洗面、精算の時間を考えれば、実際に「事」に及んでいた時間は1時間程度だろう。

私の読みは完全に外れた。

彼女は「パートを休んで一日中ホテルにいる」のではなく、「パートの始業前にホテルに寄っていた」のだ。

GPSを追いかけると、彼女の車は定時通りにパート先のスーパーの駐車場に滑り込んだ。

そこから彼女は、何食わぬ顔でエプロンを締め、レジに立ち、「真面目なパート職員」としての日常をスタートさせたのだ。

「どんだけの性欲だよ……」

呆れるのを通り越して、私は恐怖すら感じた。

彼女にとっての不倫は、一日の予定を潰して楽しむ贅沢品ではなく、朝のコーヒーや体操と同じような、「日常のルーティン」の一部になっていたのだ。

5. 探偵の視点:なぜプロでも「読み」を誤るのか

 

今回のケースは、探偵の「常識」がいかに危険かを教えてくれた。

通常、朝一からラブホテルを利用する不倫カップルは、その日一日を密会に費やすことが多い。わざわざ朝早くから集まる労力を考えれば、短時間で解散するのは効率が悪いからだ。

しかし、今回の「浮気妻」の心理はこうだ。

  1. アリバイの絶対性を利用する: 「パートに行く」と言って家を出て、実際にパート先へ現れる。これにより、夫に「今日、本当に仕事だった?」と疑われる隙をゼロにしている。

  2. 時間の高密度化: 限られた「出勤前」という1〜2時間を限界まで活用する。この「時間制限」が、かえって彼らの情熱を燃え上がらせるスパイスになっている可能性がある。

  3. 社会生活の維持: 仕事を休んでまで不倫に溺れる自分は「ダメな人間」だが、仕事の前に済ませる自分は「時間を有効活用している」という、歪んだ肯定感。

探偵が現場に着く前に終わってしまう「クイック不倫」。

これは、我々調査員にとって最も警戒すべき行動パターンの一つだ。

6. 最後に:真実は「想像」を常に超えていく

結局、その日の調査は、決定的な瞬間を押さえることができなかった。

しかし、私たちは大きな武器を手に入れた。それは、「彼女は嘘をつかずにパートに行くが、その直前の2時間を狙う」という、極めて特殊な行動パターンの解明だ。

このデータがあれば、次回の調査は最初から現場付近に潜み、入りと出を完璧に押さえることができる。

探偵の勝利は、こうした予測のズレを修正し、執念深く追い続ける先にしかない。

Bさんには正直に伝えた。 「私の読みが甘かったです。奥様はパートをサボるのではなく、パートの前に済ませるタイプでした。でも、これでパターンは掴みました。次は逃しません」

不倫に溺れる人間は、自分の欲望がどれほど奇妙で、異常なものになっているかに気づかない。朝の7時にラブホテルへ駆け込み、10時にはレジに立って笑顔を作っている。その滑稽さと醜悪さを。

もし、あなたのパートナーにも、不可解な「朝の早出」や、出勤前の不自然な行動があるのだとしたら……。

それは、あなたが思っているよりもずっと巧妙で、そして「欲深い」計画の一部かもしれない。

探偵クロキは、どんなに短い滞在でも、どんなに巧妙なアリバイでも、その隙間に潜む真実を必ず引きずり出す。

 

 

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