探偵を20年近くしていると、信じられない経験をすることもある。 これもそのひとつ。
ある浮気調査でのこと
これは10年近く前の浮気調査の話だ。 対象者は浮気妻。浮気相手は職場の同僚。 しかも、その同僚も既婚者というW不倫の案件だった。
浮気妻は警戒心が強く、クライアントが過去に問い詰めたこともあり、調査開始時点でかなり警戒していた。 職場の規模が大きいこともあり、調査初期は行動パターンを把握するのに苦労した。
しかし、調査を進めていくうちに、浮気相手との会い方を特定することができた。 浮気相手は職場から少し離れた場所まで車で迎えに行き、そこからラブホテルへ向かう。 このパターンを掴んだことで、すでに2回ラブホテルの出入りを押さえていた。
だが、当時の判例では「ラブホテル2回」では証拠として弱く、敗訴したケースもあったため、3回目のラブホテル出入りを確保することが重要だった。
罠の始まり
いつもと同じように張り込みをしていると、違和感があった。
まず、浮気相手の男が別の車で職場を出てきた。 会社の駐車場には、普段使っている車が止まったまま。
「見間違いか?」と思ったが、運転しているのは間違いなく浮気相手。
そして、すぐ後に浮気妻が職場の出入り口から出てきた。
だが、いつもと違う。
待ち合わせ場所に向かう途中、異常なほど周辺を見渡している。
「これは、何かまずいぞ」
嫌な予感がした。
私は先輩探偵に「車で待ち合わせ場所に向かうのは様子を見たほうがいい」と伝えたが、「大丈夫だろう」とそのまま車を回した。
だが、予感は的中した。
浮気相手の車は現れず、浮気妻はUターンして職場へ戻ってしまった。 その後、通勤で使用するバス停へ向かう。
私は「この調査は中止したほうがいい」と進言したが、先輩は続行を決断。 浮気妻がバスに乗るのを見て、私も慌てて乗車した。
バスの中でも、彼女は明らかに周囲を警戒していた。
特に、最後に駆け込みで乗った私に対して、何度も視線を送ってくる。
最寄り駅に着き、バスを降りた浮気妻は、改札に向かう途中で何度も振り返った。
「これ以上の尾行は無理だ」
そう判断した私は、先輩と交代するため車に向かった。
その駅ホームで、またしても衝撃の光景を目にする。
浮気相手が、こちらとすれ違ったのだ。
一瞬だったが、間違いなく浮気相手だった。
私は先輩に「二重尾行の可能性がある。気をつけて」と伝えた。
その後、浮気妻は特に警戒する素振りもなく帰宅。
「やっぱり杞憂だったのか?」と思った。
衝撃の事実
しかし、その夜。
クライアントと話をした先輩から、衝撃の事実を突きつけられた。
「調査が完全にバレていた」
しかも、調査車両まで特定されていた。
原因は、クライアントだった。
調査の前夜、クライアントは何気なくこう言ってしまったらしい。
「今日は車で帰ってこなかったんだね」
浮気妻は、浮気相手と会うとき以外は基本的に車で帰宅する。 それをクライアントが知るはずがない。
つまり、クライアントの発言で「監視されている」ことがバレたのだ。
浮気妻はこの一言で警戒し、翌日の調査で罠を仕掛けてきた。
私たちは、まんまとハマった形になった。
探偵の仕事は、安全かつ確実に証拠を取ることが最優先だ。
だが、このときの先輩は、これまでの調査で対象者の警戒行動が見られなかったことから「過剰な警戒心を持つ必要はない」と考えて調査を続行した。
その後の対応
クライアントは、かなり気弱な性格だった。
口を滑らせたことに気づいていたが、すぐに言い出せず、そのまま調査に突入。
クライアントからは謝罪されたが、
「もし、調査前に打ち明けてくれたら…」
調査を延期するか、別の方法で対応できていた。
これを教訓に、それ以降のクライアントには調査期間中、絶対に余計なことを言わないよう厳重に注意している。
また、クライアントに対し、「対象者が何か変わった素振りを見せた場合は、すぐに報告してください」とお願いしている。
探偵の仕事は、情報戦
この経験から学んだのは、探偵の仕事は情報戦ということだ。
どんなに優秀な調査員がいても、クライアントのミスで台無しになることもある。
探偵に依頼する側も「自分も調査の一部である」という意識を持つことが大事だ。
それにしても、この浮気妻してやられた感がある。
クライアントの不用意な発言を察知し、すぐに罠を仕掛けてきた。
一歩間違えれば、探偵側が警察沙汰になるリスクもあった。
探偵の世界では、こうした「逆張り」を仕掛けてくるケースもある。
長年やっていると、いろんな罠に遭遇する。
しかし、これもまた、探偵の仕事の醍醐味なのかもしれない。
だが、本来探偵の仕事はスリルを楽しむものではない。
安全に、確実に証拠を取ることこそが、探偵の本分なのだ。
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