先取特権

「オーマイガッ、会社が倒産しちまった。まだ、未払いの給料が30万あるのにどうすりゃいいんだ。」

マイクは嘆いている。

「しかも、他の会社から借金が300万もあり、会社の財産差し押さえて、売り払っても55万にしかならない。債権者平等の原則に従うと10対1で5万しか貰えないんじゃないか！？」

「あなた、大丈夫よ。先取特権っていうのがあるのよ。」

「なんだって、キャサリン！？先取特権、何だい？」

「民法上特に保護する必要性が高い債券は、他の債権に優先して弁済を受けられる権利よ。

だから、あなたの給料は優先して貰えるわよ」

「本当か？これで一安心だ」

安堵の表情で眠りにつく、マイクであった。