～続き
勝海舟が守りたかったものがある。
徳川家、江戸の町、そして日本である。
勝海舟という人物は、幕臣で在りながら、保守的ではなく、改革派である。
西郷隆盛や坂本竜馬といった、多くの人物に影響を与えている。
勝海舟は、なにより日本の未来を案じていた。
ここで、旧幕府軍が徹底抗戦をすれば、勝利は収められるかもしれない。
だが、ここから長きに渡る内戦が始まる可能性がある。
当時の背景に、日本は多数の諸外国に干渉を受けていた。
内戦が始まれば、諸外国にとっては絶好の機会となり、植民地にされる恐れがある。
実際、当時のインドや清（中国）では、内戦の悪化により、国力が低下し植民地化されていた。
それだけは、避けなくてはならない。
当時の日本人が誰一人と考えが及んでいない、ところまで、考えていた。
勝海舟のメタ認知機能が大変優れていた、証拠である。
勝海舟は場内の抗戦派を抑えつつ、西郷隆盛を説得しなければならない。
勝海舟が取った行動は、抗戦の構えをしつつの、和平交渉である。
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