探偵稼業は、いつの時代も「隠された真実」を追う仕事だが、この数年で、私たちの調査環境は劇的に変化した。
情報化社会の進化は、私たち探偵に新たな武器を与えると同時に、これまでになかった壁も作り出している。
今回は、現代社会における「情報の流通」が、いかに浮気調査に影響を与えているか、そして、「警戒する対象者」が仕掛けてくる情報操作の罠と、それに対する探偵の戦略について、深く掘り下げていこうと思う。
1.情報化社会の課題:プロの専門性を問い直す波
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10年前と比べると、今は誰もが簡単に、専門的な情報を手に入れられる時代だ。
この現象は、私たち探偵の仕事に対し、二つの側面から新たな課題を突きつけている。
課題A:「探偵対策グッズ」の氾濫と、プロの機材との差
かつては、専門家でなければ入手困難だった小型カメラや盗聴器も、今やネットで簡単に、しかも安価に手に入る。
そして、それらを見つけるための探知機も同様だ。
- カメラ探知機: 数千円程度で、怪しい光や電波を感知する探知機が手に入る。
- 盗聴器発見器: これもまた、安価なものが市場に溢れている。
重要なのは、これらの安価な探知機が、どこまで効果を発揮できるのかという点だ。
私自身が使ったことがないから断言はできないが、プロ仕様の高感度な機材と比較して、その性能が劣るのは明白だろう。しかし、対象者からすれば、「対策をしている」という安心感を得るには十分だ。
このように、10年前なら探偵に依頼しなければ不可能だったことが、情報の流通と技術の進化により、今や個人でも簡単にできてしまう。
この現象は、探偵という職業の「専門性を揺るがしかねない」と危惧する声もあるかもしれないが、私はそうは思わない。
我々プロの探偵が扱う機材は、安価な市販品とは次元が違う。
そして、何よりも、機材を扱う人間のスキルと、現場での判断力は、決して情報だけでは手に入らない。この技術的なギャップ、そして人間力の差こそが、プロの探偵の存在価値であり、専門性の本質だと確信している。
課題B:「調査手法」の流通と、対象者の心理変容
そして、もう一つの課題が、「探偵がどうやって調査をするか」という手法までもが、インターネット上で公開されてしまうということだ。
ブログ、SNS、そしてYouTube。
これらのプラットフォームには、「浮気がバレる方法」「探偵の尾行の手口」といった、かつて業界の「秘密」とされてきた情報が溢れかえっている。
これは、探偵にとって「光」ではない。警戒心を高めた対象者との知恵比べという、新たな「壁」を意味する。
この情報流通の波は、確実に私たちの調査対象者の行動を変えている。
少し前にあった事例が、その典型だ。
浮気を疑われた対象者のPCを、依頼人が確認したところ、ブラウザの履歴に「探偵 尾行 手口」「浮気 調査 対策」といった検索ワードや、探偵が運営するYouTubeチャンネルの視聴履歴が残されていたというのだ。
こんな履歴が残っていたら、私たち探偵は即座に推測する。
「この対象者は、我々の存在、あるいは調査される可能性を完全に警戒している」と。
警戒心を持つ対象者が取る行動は、一つではない。
その中でも、最も厄介な行動の一つが、私たち探偵の調査を無駄にするための「情報の操作」だ。
2.警戒対象者の行動:「情報の操作」という罠
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警戒心を持つ対象者が仕掛ける「情報の操作」は、探偵の調査の開始時間を誤魔化すという、極めて単純でありながら効果的なトリックだ。
彼らの頭の中にあるロジックはこうだ。
- 探偵はいつから張り込みを開始するか? 「依頼人と相談して、怪しい行動が始まる30分〜1時間前からだろう」
- では、その時間を逆手に取ろう。
具体的な行動として、以下のような事例が見受けられる。
- 「誤情報の流布」: 配偶者(依頼人)に対し、「今日は15時くらいに家を出て、友人と会う予定だ」と嘘の情報を伝える。
- 「早期行動と一旦帰宅の匂わせ」: しかし実際は、午前中や早朝に家を出てしまう。そして、昼間に「一旦帰宅するようなことを匂わせる」連絡を入れるなどして、配偶者に安心感を与える。
クライアントから提供される情報は、通常、「対象者が出かける予定の時間」だ。私たちはその情報に基づいて、30分〜1時間程度前から張り込みを開始する。
もし、対象者がこの「情報の操作」を実行し、私たちより早く、例えば朝8時に家を出てしまっていたら、もうアウトだ。その日の追跡は不可能となる。探偵車両は、対象者が家を出る前に「待機ポジション」にいなければならないからだ。
警戒対象者の「情報の操作」戦略
「情報の操作」などと、カッコつけて書いたが、要は「探偵が張り込みを開始する時間を誤魔化す」という、極めて単純なトリックだ。
彼らの頭の中にあるロジックはこうだ。
- 探偵はいつから張り込みを開始するか? 「依頼人と相談して、怪しい行動が始まる30分〜1時間前からだろう」
- では、その時間を逆手に取ろう。
具体的な行動として、以下のような事例が見受けられる。
- 「誤情報の流布」: 配偶者(依頼人)に対し、「今日は15時くらいに家を出て、友人と会う予定だ」と嘘の情報を伝える。
- 「早期行動と一旦帰宅の匂わせ」: しかし実際は、午前中や早朝に家を出てしまう。そして、昼間に「一旦帰宅するようなことを匂わせる」連絡を入れるなどして、配偶者に安心感を与える。
クライアントから提供される情報は、通常、「対象者が出かける予定の時間」だ。
私たちはその情報に基づいて、30分〜1時間程度前から張り込みを開始する。
もし、対象者がこの「情報の操作」を実行し、私たちより早く、例えば朝8時に家を出てしまっていたら、もうアウトだ。その日の追跡は不可能となる。
探偵車両は、対象者が家を出る前に「待機ポジション」にいなければならないからだ。
3.探偵の対抗策:イタチごっこと「隙」の哲学
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この警戒行動に対し、探偵はどのような対抗策をとるのか。これは、まさに情報戦であり、イタチごっこだ。
1.張り込み時間の「数時間前倒し」戦略
私たち探偵は、対象者が警戒していると判断した場合、依頼人との協議の上で、調査開始時間をさらに数時間前からに設定し直すようにしている。
例えば、クライアントから「15時頃に出かける予定」と聞かされても、警戒レベルが高いと判断すれば、午前中の9時、あるいはもっと早い時間から張り込みを開始する。
当然、この「前倒し」は、張り込み時間の延長、つまり費用の上昇を意味する。
しかし、警戒心の高い対象者への調査は、確実に証拠を掴むために「確実性」を最優先しなければならない。空振りを続ける方が、結果的にコストが高くつくのだ。
もし、警戒している対象者がこの記事を読んだら、「じゃあ、もっと早く、早朝とかに出かけるぞ」と思うかもしれない。それは結構だ。
だからといって我々もそれに応じて、徹夜で張り込みなんてしない。
別の機会を待つだけだ。
2.「いくら警戒していても、そのうち隙が出来る」という真理
しかし、私たち探偵は、このイタチごっこに疲弊することはない。
なぜなら、私たちが信じる「隙の哲学」があるからだ。
「いくら警戒していても、そのうち隙が出来る」
人間は、機械ではない。緊張状態を永遠に維持することは不可能だ。
- 慣れによる油断: 張り込みが数日続くと、「今日は探偵はいないだろう」という気の緩みが必ず生まれる。
- 感情の爆発: 浮気相手との密会前は、興奮状態にある。この感情的な高揚が、周囲への警戒心を鈍らせる。
- 時間的な制約: 浮気相手との待ち合わせ時間に遅れるなど、時間的な制約が生まれたとき、人は「走る」というような、目立つ行動を無意識にとってしまう(これは前回の記事でも話した通りだ)。
私たち探偵は、この対象者が生み出す一瞬の「隙」を逃さない。
それは、カメラのシャッターチャンスであり、尾行を開始するタイミングでもある。
情報化社会は探偵の仕事を変えたが、最終的に浮気調査を成功させるのは、高性能な機材でも、ネットの情報でもない。
対象者の心理を読み解き、その「人間的な隙」が生じる瞬間まで、忍耐強く、しかし決して見逃さないという、探偵の執念と職人技なのだ。
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