今回は、探偵の仕事の中でも最も件数が多い、浮気調査について話そうと思う。
しかし、ただの調査報告ではない。50歳を過ぎた浮気妻がとった、思わず笑ってしまうほどの奇妙な警戒行動と、それに対する探偵の対応、そして「警戒されている時の浮気調査」の極意について、包み隠さず語っていこうと思う。
一度許した浮気の再発と、警戒心の芽生え
今回の対象者は、50歳を過ぎた浮気妻だ。依頼者は彼女の夫。以前にも妻の浮気を疑い、問い詰めたことがあったという。
その時、妻は特定の男性と食事や飲みに行ったことは認めたものの、浮気そのものは強く否定。
そして、その男性とは二度と会わないと約束したらしい。
夫は妻の言葉を信じ、一度は許した。
だが、最近の妻の行動が再び怪しくなり、以前と同じ男性と会っているのではないか、と疑念を抱いての再度の依頼だった。
これは、探偵の世界ではよくあるパターンだ。
浮気を否定して許すと、再び同じ相手、あるいは別の相手と浮気を繰り返すケースが非常に多い。そして、その後に探偵への依頼となるのも、またよくあることだ。
特に、この手のパターンで厄介なのは、対象者が警戒している可能性が高いという点だ。
一度問い詰められているのだから当然だろう。浮気を許された側は、次はバレないようにと、以前よりも慎重に行動するようになる。
私の経験上、こういった状況で警戒するのは女性の方が多い。
男性は「浮気がバレていない」と思い込んでいることの方が多く、油断しているケースがほとんどだ。しかし、女性は一度問い詰められたことで、「次は絶対に失敗できない」と、探偵の存在を意識せずとも、周囲への警戒を強める傾向にある。今回の浮気妻も、まさにその典型だった。
奇妙な警戒行動:ラブホテル前の「駐車車両撮影」
実際に調査を開始すると、やはり浮気妻は警戒していた。
調査初日、浮気妻は勤務先を定時で出た。ここまでは特に不審な点は見られない。
彼女が向かった先は、都内でも落ち着いた雰囲気のある小さな飲食店だった。店内に入ると、すでに席についている男性がいた。この男性が、依頼者が疑っている浮気相手だろう。
二人は食事をしながら、楽しそうに会話をしていた。店内で合流したため、この時点ではまだ周囲を気にする様子はなかった。しかし、二人が店を出て、通りを歩き始めた途端、浮気妻は急に周囲を気にし出したのだ
。まるで、誰かにつけられているのではないかと、神経を尖らせているのが、後ろから見ていても手に取るように分かった。
そこから二人は、少し離れた場所にあるラブホテル街へと向かい始めた。
道中、浮気妻は何度も後ろを振り返った。振り返るたびに、私は身を隠したり、通行人のふりをしたり、細心の注意を払って追跡した。
そして、いよいよラブホテル周辺に差し掛かった時も、彼女はやはり後ろを振り返っている。
これだけ頻繁に振り返られると、探偵としては入りの撮影が非常に難しい。無理に近くまで行ってカメラを構えれば、確実に感づかれてしまう。
そこで、私は数十メートル離れた路地から、望遠レンズを使って撮影することに切り替えた。ズームを駆使して、二人の動向を遠くから監視する。
すると、ここで信じられない光景を目の当たりにした。
二人がラブホテルに入る直前、浮気妻が何かに気づいたように立ち止まった。そして、おもむろにスマートフォンを取り出し、駐車している車を撮影し始めたのだ。
「えっ、何してるんだ…?」
私は一瞬、自分の目を疑った。彼女が撮っているのは、ただの駐車車両だ。
しかも、特定の車ではなく、通りに停まっている複数の車を、まるで探偵のように、いや、探偵が見ても意味がわからないほどの不自然な動作で撮影している。
「それは何の意味がある?」
思わず、心の中でそう呟いてしまった。後で考えてみたが、おそらく彼女は、「不審な車がいないか」を確認しようとしていたのだろう。
探偵の車は、長時間同じ場所に停まっていることが多いため、それを警戒したのかもしれない。
しかし、探偵は調査車両を複数用意したり、頻繁に車両を入れ替えたりする。一見、怪しい車に見えても、それが探偵の車とは限らない。そして、何より、その行動自体が非常に目立つ。逆に「怪しい動き」をしているのは彼女の方だ。その奇妙さに、私は思わず笑ってしまった。
その滑稽な「警戒行動」を終えた浮気妻は、何事もなかったかのように、浮気相手と共にラブホテルへ入っていった。
臨機応変な対応と、確実な証拠の確保
探偵の仕事は、対象者がホテルに入ったところで終わりではない。入りの撮影が難しくても、出の撮影を確実に押さえれば、浮気の証拠としては十分だ。
私はすぐに車を用意し、ホテルの出口が見える場所に定点カメラをセットした。
そして、約3時間後。浮気妻と浮気相手が、ラブホテルから出てくるところを、しっかりとカメラに収めることができた。
二人はホテルを出ると、何事もなかったかのように歩き出し、近くで別れた。
今回のラブホテルの入りは、数十メートル離れた場所から望遠で撮影していたため、通行人の邪魔で少し見づらい部分があった。しかし、動画で見返せば、二人がホテルに入っていったことは明確に分かる。
そして、最悪、入りの動画が撮れていなくても、付近を歩く二人の姿と、ラブホテルから出てきた二人の姿を同時に押さえているため、浮気の証拠としては全く問題ない。
今回の件で、改めて痛感したことがある。
それは、警戒している対象者に対しては、ラブホテルの入りの撮影を無理に追わない、ということだ。
無理に撮影しようと、ホテル入口に近づけば、相手に感づかれてしまうリスクが格段に上がる。
もし感づかれてしまえば、二人はラブホテルに入らず、別の場所へ移動するだろう。
そうなれば、決定的な浮気の証拠を逃してしまうことになる。
探偵は、常に臨機応変に対応しなければいけない。
無理にリスクを冒して入りの撮影に固執するよりも、多少離れてでも、二人がラブホテルへ向かう様子と、後から出てくる様子を確実に押さえる方が、証拠としてはよほど強力だ。
今回の浮気妻は、奇妙な警戒行動をとったものの、最終的にはその警戒心も薄れ、ラブホテルに入ってしまった。
探偵の仕事は、相手の行動を読み、それに合わせて対応すること。そして、相手の油断を突き、決定的な証拠を掴むことだ。
警戒する浮気妻と、それを冷静に見守る探偵。
今回の調査は、まさにその攻防戦だったと言えるだろう。
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