浮気調査。この仕事をしていると、依頼の半分以上はこれになる。
浮気調査なんてのは、大抵の場合、依頼者の心の中に渦巻く疑念から始まる。「最近、夫の帰りが遅い」「スマホを絶対に見せなくなった」「急にジム通いを始めた」——そんな些細な違和感が、やがて確信へと変わり、俺たちのもとに連絡が入る。
今回の依頼もそんな感じだった。依頼者は30代の女性。結婚6年目。子どもはいない。旦那が浮気しているのではないかと疑っている。
きっかけは、スマホの挙動だったらしい。旦那が急にスマホを肌身離さず持つようになった。トイレに行く時も、風呂に入る時も。依頼者が「何してるの?」と聞けば「仕事の調べ物」と言い訳するが、その割には楽しそうな表情を浮かべているという。
さらに、最近になって旦那が毎週金曜日に「仕事の飲み会」と称して帰りが遅くなるようになった。前まではそんなことは一切なかったらしい。
俺たちの仕事は、この「仕事の飲み会」が本当に仕事なのか、それとも浮気相手との逢瀬なのかを確かめることから始まる。
調査初日。
金曜日の夜、18時過ぎ。旦那は仕事が終わったらしい。いつもなら真っ直ぐ帰る時間だが、この日は違う。
俺は車の中から旦那の会社の出口を見張っていた。周囲には他の従業員たちがぞろぞろと帰宅していくが、旦那の姿は見当たらない。
19時半過ぎ。ようやく旦那が出てきた。
スーツ姿だが、手には小さな紙袋。ブランド物の店のロゴが見える。女性へのプレゼントだろうか?
旦那はそのまま駅へ向かう。俺も後を追う。
電車に乗った旦那は、都内の繁華街へと向かう。金曜の夜だから、街は人で溢れている。サラリーマン、カップル、酔っ払い。
繁華街の雑踏の中で、旦那が待ち合わせ場所に到着する。
そして、現れたのは——
同年代くらいの女性。目立った格好でもない地味な女性。旦那はその女性に近づき、自然に手を繋いだ。
俺はカメラを回し撮影を始める。
二人はそのまま飲み屋街へと消えていった。
飲み屋街での張り込みは、探偵の仕事の中でも辛い部類に入る。
寒い季節だと手がかじかむし、夏場は汗でベタベタになる。人通りが多い分、こっちも人に紛れることができるが、逆に見失うリスクも高い。
今回は比較的スムーズだった。
旦那と浮気相手の女性は、繁華街の中でもひときわ目立つ焼肉店に入っていった。
店の前が見える位置で立ち張りをしながら、二人の出入りを見逃さないように注意を払う。
通り過ぎるカップルたちの視線を感じる。中には「何この人、ずっと立ってる」って顔で見る奴もいる。
だが、こっちはプロだ。そんな視線には動じない。
約2時間後、旦那と女性が店から出てきた。
二人は再び手を繋ぎ、今度はラブホテル街へと向かう。
これで証拠は揃った。
だが、まだ終わりじゃない。
俺は二人がラブホテルに入る瞬間をカメラに収める。そして、出てくるまでの時間も計測しておく。これも重要な証拠の一つだ。
3時間後、ようやく二人が出てきた。
旦那は満足そうな顔で女性と別れ、駅へと向かう。
俺はその姿を最後まで見届け、依頼者に報告を入れる。
「証拠、揃いました」
電話の向こうから、依頼者の声が震えているのが分かる。
「分かりました……。ありがとうございます」
俺たちの仕事はここまでだ。
その後の展開は、依頼者次第。
離婚に進むのか、それとも旦那と話し合うのか。
だが、少なくとも真実は明らかになった。
これが浮気調査の現実だ。
派手なドラマのような展開は滅多にない。
だが、その一瞬一瞬の現場には、人間の本音が隠れている。
その裏側を暴くのが、俺たちの仕事だ。
次回の調査も、また一筋縄じゃいかないだろう。
だが、俺たちは粘り強く張り込む。
どんな真実も、必ず浮かび上がる瞬間があるから。
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