前回、リーダー格の男の調査が失敗に終わり、高級住宅街でゆうこりんを見た話をした。
今回はその続き、調査中に遭遇した「通報者との攻防」と、このトラブルの意外な結末について話そうと思う。探偵という職業の裏側、そして日本の労務問題の現実を、今回も包み隠さず語っていこう。
探偵の天敵:通報された探偵車両と、執拗な住人
初日の張り込みは、生ゆうこりんという予期せぬ出来事があっただけで、特に問題なく終わった。
探偵は長時間同じ場所にいると不審に思われるため、車両を頻繁に変えるのが鉄則だが、初日は問題がなかったので、翌日も同じ車両で張り込みを行うことにした。
しかし、それが失敗だった。
さすがに夕方近くになると、やはり通報されてしまったのだ。
高級住宅街に、見慣れない車が長時間停まっている。住民からすれば、不審に思うのも当然だろう。
私はすぐにその場を離れ、車両を変えて張り込みを続行した。数時間別の車両で調査を続けたが、特に通報されることもなく、問題はなかった。
夜になり、何かしらの理由があって(その理由が何だったか、今はもう覚えていないが)、朝使っていた車両に再び戻した。すると、すぐにまた通報されてしまったのだ。やはり、この界隈の住民は、見慣れない車両に非常に敏感なのだろう。
数分後、パトカーが到着し、警察官の職務質問が始まった。
私は探偵であることを明かし、調査中であることを説明した。この時、警察官は私の身分を確認し、事務所の連絡先や調査内容を尋ねた上で、「問題ありません」と判断してくれた。
探偵という職業は、公的な認知度が低いため、職務質問を受けることは珍しくない。しかし、しっかりと説明すれば、ほとんどの場合、警察は理解を示してくれる。
しかし、問題はここからだった。
警察の対応をしていると、一台の車が私たちのところにやってきた。中から出てきたのは、いかにもこの界隈の住人といった風貌の人物だ。その人物は警察官に向かって何かを言っている。私にははっきりと聞き取れた。
「この車、昨日もいたぞ」
おそらく、この人物が通報したのだろう。警察官は、この人物にも事情を説明しているようだったが、その人物は納得がいかない様子で、私の車をジロジロと見続けていた。
警察官は、私に「問題ない」と告げ、パトカーでその場を去っていった。
しかし、この手の人は**「警察が帰ったからといって、不審者ではない」**ということを理解してくれない。長時間同じ場所にいれば、不審者扱いされるのは、探偵稼業ではよくあることなのだ。
このような人がいる場所では、普段以上に細心の注意を払って調査をしなければならない。
ちなみに、警察は通報者に対して「この人たちは不審者ではありません」とは絶対に言わない。
なぜなら、彼らには通報者の安全を守る義務があるからだ。探偵の身元を明かすことはあっても、それを安易に第三者に話すことはない。その結果、通報者はいつまでも「不審者」という疑念を抱き続けることになる。
余談だが、警察関係者から聞いた話では、警察官自身も調査のための張り込み中に、周辺の住民から通報されることがあるらしい。これには思わず笑ってしまった。お互い様、というわけだ。
調査失敗のその後:理不尽な結末と、揺るがぬ「労働者保護」の壁
最後に、この調査の最終的な結末について記載しよう。
我々の調査は、リーダー格の男がすでに引っ越しているという事実を突き止めただけで、彼の不正行為を直接証明する証拠は得られなかった。
その後、クライアントである会社は、この男から「不正解雇」で訴えられてしまったのだ。
数億円する高級マンションを持ち、それを資産運用して利益を出しているという事実にもかかわらず、会社との雇用関係においては、この男は「弱者」と扱われた。
裁判所の判断は、会社側が敗訴。男の言い分が認められ、会社は1年分の給料の支払いに加え、再雇用を命じられた。クライアントは、仕事もまともにしないこの男を再雇用するはめになり、今でも彼を雇用し続けている。
この理不尽な結末は、日本の「労働者保護」という原則の厳格さ、そして企業が直面する労務トラブルの難しさを象徴している。
探偵の調査が失敗に終わったこと、そして十分な証拠が集められなかったことが、この結果に繋がってしまった。
探偵の仕事は、常に成功するわけではない。
しかし、この苦い経験は、私にとって大きな教訓となった。今後、同様の依頼を受ける際には、より徹底した事前調査と、労務問題の特殊性を考慮した戦略を練る必要がある。
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